岩手医科大学歯学部同窓会 学術研修会のご案内




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時 間: 9:50ー15:30
   (10:00ー12:00 午前の部、12:15ー13:00 ランチョンセミナー、13:15ー15:15 午後の部)
会 場:岩手医科大学歯学部4階講堂
参加費:(昼食代含む)歯科医師6,000円 学内歯科医師3,000円 コデンタルスタッフ2,000円(歯科医師は除く)




■午前の部

  佐藤 厚 先生
  愛知県蒲郡市開業
  1982年
 同年
1989年
1990年
1992年
 同年
2005年
2009年
2011年
岩手医科大学歯学部卒業[12期生]
ライオンファミリー歯科(名古屋)勤務
歯学博士(愛知学院大学)
日本小児歯科学会認定医
ライオンファミリー歯科退職
さとう子ども歯科医院開業
日本小児歯科学会専門医
蒲郡市障がい者歯科委員会 副委員長(現在に至る)
蒲郡市歯科医師会 副会長(現在に至る)


『成長期の歯科臨床における主訴になりにくい異常とその対応』
― その子に、こんなことが隠れているかも!? ―


・咬合誘導
・萌出障害
・埋伏歯の牽引
・介入のタイミング
・学校歯科健診

 近年の歯科臨床では、疾患の治療だけでなく、定期健診を通じて口腔の健康維持に貢献することが一般的になってきました。なかでも成長期を扱う小児歯科分野は早くから定期健診を実践してきたといえるでしょう。その定期健診の過程で、本人はもちろん、保護者も気がつかない成長期特有の以下のような異常を発見することがあります。このような異常に対して適切な時期に適切な対応がなされれば、その子どもの将来の口腔環境は著しく変わると思われます。

1. 乳歯の慢性根尖性歯周炎による後継永久歯の位置異常(無痛性骨膨隆・嚢胞との関連)
2. 第一大臼歯の異所萌出
3. 上顎犬歯の位置異常および埋伏
4. 乳臼歯の骨性癒着(低位乳歯)とその隣接永久歯への影響
5. 大臼歯の頬舌側傾斜(鋏状咬合)
6. 大臼歯の近心傾斜、水平埋伏
7. 埋伏過剰歯、歯牙腫などによる萌出障害
8. 先天性欠損
9. 交叉咬合(とくに乳歯列期)
10. その他 中心結節、軟組織異常、習癖など

 しかし、これらの治療は咬合誘導や矯正の一期治療の範囲に入ることになり保険外診療になることがほとんどです。さらに、もともと主訴がないわけですから、インフォームド・コンセントが一般的になった今、それを保護者に分かりやすく伝え、同意を得て治療を始めるにはそれなりの努力が必要と感じます。何より一番望ましいのは、類似症例を提示することですが、そのためには日頃からそれらを直ちに提示できる環境を整えておく必要があります。今回は、人口8万人の地方小都市で開業する当院で経験してきた症例の中から時間の許される限り可及的に多くの症例を提示し、私の考える咬合誘導・矯正治療についてお話したいと思います。また、地域の成長期の子どもたちを診る機会の多い学校(園)歯科医の先生方にも再考いただける機会にしたいと考えています。
 本講演により、地域のかかりつけ歯科医が適切な対応をすることで、重篤な状態に陥ることを避け得る症例が少なからずあるということを共有できれば幸いです。

【主な論文・著書(共著)】
・乳前歯に起因する後継永久歯の萌出障害への対応  ...................................................................................................  小児歯科臨床:20(2015)
・小児歯科医は何をすべきだったか?--長期経過症例3例から考える咬合誘導-- .................................................................. 小児歯科臨床:17(2012)
・地域に小児歯科専門医と認めてもらうために ............................................................................................................... 小児歯科臨床:14(2009)
・地域に情報発信できる小児歯科医をめざして, 世代をつなぐ小児歯科........................................................................ クインテッセンス出版(2009)
・上顎第一大臼歯異所萌出対処のためのフローチャートの考案....................................................................................... 小児歯科学雑誌:47(2009)








■午後の部

  岡口 守雄 先生
  東京都開業
  1976年
1986年
1993年
明治大学政治経済学部経済学科卒業
岩手医科大学歯学部卒業[16期生]
東京都千代田区にて開業(現在に至る)


MTAが可能にした歯髄・歯牙保存の最前線

・抜髄がなくなるMTA臨床
・最新の歯髄保存の診断とMTAを用いた術式
・見えなかった物が見えてくるCBCTとマイクロスコープ
・感染源を直接見て除去する感染根管治療
・根管内を確実に封鎖できるMTA根充

 カリエスが深く、従来の基準では抜髄するしかないと思われるようなケースの歯髄の保存が最新材料MTAの登場により可能になってきました。ただし、MTAは操作性が難しい材料であり正しい術式を理解し用いる事が必要です。
 抜髄必須と思われるケースにおいて、齲蝕を完全に除去し従来の覆髄材を使っても歯髄の保存が困難な事が多々ありました。しかしMTAを覆髄材として用いると、予後良好のまま経過するケースが多く見られるようになりました。これはMTAの封鎖性と修復象牙質の形成能が従来の覆髄材よりはるかに高い事によります。さらに歯髄が一部感染してしまっているケースにおいても、その感染している歯髄のみを可及的に除去し、MTAで覆髄する事で残った歯髄を保存する事すら可能になってきました。しかし直接覆髄にしても間接覆髄にしてもMTAを正しく使用しないと成功は期待できません。歯髄を保存する事は歯牙保存のステップの第一歩です。
 また、従来肉眼で治療をしていた時には治癒が困難であった難治性根尖性歯周炎においても、CBCTによる術前の診断とマイクロスコープで根管内の状態を直接見ることによってなぜ治らないのか、その原因が分かって来ました。さらに複雑で様々な形態をしている3次元的な根管内に残留する感染源を、直接目で見て除去できるインスツルメント「OKマイクロエキスカ」と感染源を除去した後の根管内を確実に封鎖できる新時代の歯科用セメント「MTA」を用いる事で治癒へと導く事が可能になってきました。難治性となっている原因を特定してその原因に直接アプローチする事により、最短で最善の治療結果をもたらすことが出来ると思います。
 これら今までの治療では成し得なかった歯髄保存、歯牙保存の術式はCBCTによる術前の確かな診断と、マイクロスコープを用いた拡大視野下での処置によって初めて成り立つものであると考えています。
 今回、通常の治療では保存が困難であると思われる歯髄の保存や難治症例となっている感染根管治療をどのように行うのか、という点についても実際私が行っている数多くの症例、動画を用いてお話させて頂きます。歯髄保存、歯牙保存の最前線のキーポイントが明日からの臨床にご活用頂ければ幸いです。

【主な論文・著書(共著)】
・歯内療法の三種の神器(すぐに役立つ世界標準のテクニック&最新トレンド) .........................................................  デンタルダイヤモンド出版(2016)
・長期経過を実現するオールセラミックレストレーション ....................................................................................... 補綴臨床別冊, 医歯薬出版(2016)
・連載ダイレクトボンディングの臨床 第1-5回(Ⅰ級?Ⅴ級欠損のコンポジットレジン修復) ............................................. 補綴臨床:47, 医歯薬出版(2014)
・Revolution in Endodontics -感染根管への新しいアプローチとテクニック- ....................................... Quintessence:33,クインテッセンス出版(2014)
・動画でみるエンドマル秘テクニック MIコンセプトの根管治療(マイクロエンドが難治症例を救う) ............ Quintessence:32,クインテッセンス出版(2013)








■ランチョンセミナー

  佐々木 大輔 先生
  岩手医科大学歯学部 歯科保存学講座 歯周療法学分野 講師
  2003年
  2007年
2008年
2015年
岩手医科大学歯学部卒業[33期生]
   岩手医科大学大学院 歯学研究科歯科保存学第二講座専攻修了
岩手医科大学歯学部 助教任用
岩手医科大学歯学部 講師任用(現在に至る)


エムドゲイン®から新開発トラフェルミンまで

・エムドゲイン®のコンセプト
・効果、効能
・組織工学、・エムドゲイン®の臨床応用
・保険適用歯周組織再生剤「トラフェルミン」とは?

 歯周病は日本人の70%以上が罹患している病気です。その中でも、歯肉縁下プラーク中に存在する歯周病原細菌が起因して発症する歯周炎に対し、日常臨床では様々なアプローチがなされてきました。スケーリング・ルートプレーニングをはじめとする歯周基本治療、またそれだけでは治癒しない深い歯周ポケットに存在する歯周病原細菌に対しては、ポケット除去療法をはじめとした歯周外科治療といった治療法です。これらは原因の除去を主目的として行われてきました。しかしこの治療法は歯周炎が進行する状況をストップすることは出来ても、元の健全な歯周組織に戻す、再生するまでには至っていないのが実情です。そこで近年、歯周組織そのものを元の状態に戻す試み、歯周組織再生療法が行われるようになりました。日常臨床では骨移植術、Guided Tissue Regeneration(GTR 法)、エムドゲイン®(EMD)がこれに相当します。特にEMDは生後6か月の幼若ブタ歯胚中から抽出したエナメルマトリックスタンパク質を使用し、生体活性を上昇させることで歯周組織再生を図ろうとする新しいコンセプトの歯周組織再生材料です。そのEMDも欧州で承認されてから今年で21年、日本で承認されてから既に18年の月日が流れました。そこで本ランチョンセミナーでは、EMD のコンセプトから現在までの研究、臨床においての報告を一旦整理し、現状でのEMD を再評価してみたいと思います。
 今年4月より世界初の「歯周組織再生医薬品」が日常臨床に登場します。保険適用となる「トラフェルミン(リグロス®)」(科研製薬)は遺伝子組換えヒトbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)を主成分とした新たな歯周組織材料となります。本セミナーにおいても併せてその効能、効果について我々が治験で得たデータを交えながらお話させていただき、先生方のこれからの日常臨床のお役に立てれば幸いです。

【主な論文・著書(共著)】
・Correlation between gingival crevicular fluid hemoglobin content and periodontal clinical parameters. .................. J.Periodontol.(2016)
・Prevalence and risk factors for peri-implant diseases in Japanese adult dental patients. .......................................... J. Oral Sci.(2016)
・EMDの現在-生誕20年にあたり- .............................................................................................................................. 日本歯周病学会誌(2015)
・歯周病学教育の新カリキュラム導入(日本歯周病学会教育賞受賞) .............................................................................. 日本歯周病学会誌(2015)
・糖尿病の患者さんへの歯周治療 ..................................................................................................................... デンタルハイジーン別冊(2009)




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