岩手医科大学歯学部同窓会 学術研修会のご案内




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時 間: 9:50ー15:30
   (10:00ー12:00 午前の部、12:15ー13:00 ランチョンセミナー、13:15ー15:15 午後の部)
会 場:岩手県歯科医師会館5階8020プラザ
参加費:(昼食代含む)歯科医師6,000円 学内歯科医師3,000円 コデンタルスタッフ2,000円(歯科医師は除く)




■午前の部

  佐藤 健一 先生
  岩手医科大学歯学部 口腔顎顔面再建学講座 歯科麻酔学分野 教授
  1988年
1988年
1994年
1995年
1997年
1999年
2000年
2015年
2016年
岩手医科大学歯学部卒業[18期生]
岩手医科大学歯学部 副手(口腔外科学第一講座)
岩手医科大学歯学部 助手(歯科麻酔学講座)
慶応義塾大学医学部麻酔科にて医科麻酔研修
鹿児島大学 歯科麻酔学講座 文部教官助手
岩手医科大学歯学部 助手(歯科麻酔学講座)
岩手医科大学歯学部 講師(歯科麻酔学分野)
岩手医科大学歯学部 准教授(歯科麻酔学分野)
岩手医科大学歯学部 教授(歯科麻酔学分野)


『超高齢社会での有病者歯科診療 - 偶発症の予防と対処 - 』

・超高齢社会を迎えて
・バイタルサインとは
・歯科治療時の偶発症
・救急薬品の種類とその使い方
・医療安全について

 日本の社会は、1970年に高齢化社会、1994年に高齢社会、2007年には超高齢社会を迎えました。これからの超高齢社会では、合併疾患を多数持った患者を診療していかなければなりません。歯科医にも内科的疾患の知識を持つ必要があり、超高齢社会での有病者歯科診療への対応がせまられています。

 高齢者の疾病の特徴は、1)一人で多くの疾患をもっている、2)個人差が大きい、3)同じ疾患でも若年者の場合と異なる症状を示す、4)ストレス時にみられる潜在的機能低下がある、5)慢性の疾患が多い、6)薬剤に対する反応が若年者と異なる、7)生体防御力の低下によって疾患が治りにくいなどがあげられます。高齢者に多い疾病は、高血圧症、脳梗塞、虚血性心疾患、不整脈、糖尿病、骨粗鬆症、白内障、貧血症など多岐にわたっています。

 歯科治療の多くは、患者に"侵襲"を加えるものであり、その侵襲には身体的侵襲と精神的侵襲があります。身体的侵襲はX線照射から始まり局所麻酔針刺入・麻酔薬注入、抜髄、インプラント埋入、抜歯などの観血的処置があります。精神的侵襲は治療に対する不安、恐怖感、不快な器械作動音・振動、口腔内切削作業などが考えられます。身体的・精神的侵襲により血管迷走神経反射などの健康な人でも起きうる偶発症や心筋虚血などの内科的合併疾患が増悪する偶発症がおこります。有病者歯科診療を行うためには、歯科治療の侵襲の程度、歯科治療の侵襲が正常な心身に与える影響、種々の全身疾患(合併疾患)、種々の全身疾患を有する身体、歯科治療の侵襲が有病者の心身に与える影響、歯科治療の侵襲がそれぞれの患者個人の心身に与える影響、何らかの異常が起きた場合の対応策などについて考えていなければなりません。合併疾患が増悪する疾病としては、1)異常高血圧・高血圧脳症・脳血管障害、2)心筋虚血、3)糖尿病性・低血糖性昏睡、4)気管支喘息発作、5)甲状腺クリーゼ、6)副腎クリーゼ、7)てんかん発作などがあります。これらの全身的偶発症を予防するためにはスクリーニングが大切です。スクリーニングでは、健康な人か有病者か、から始まり有病者であれば既往歴の問診、内科への対診、常用薬の確認を行います。問診で重要なことは患者さんの過去を知ることですが、患者さんの知っていることしか情報が得られません。そこで内科への対診を行いますが、歯科治療の可否だけ聞くのではなく、疾患のコントロールの良否について知ることが重要です。内服薬についても患者さんの内服状況を確認することが大切です。薬の主作用のみならず副作用・相互作用についても確認しておくべきです。今回、有病者歯科治療の大まかな流れについてお話ししたいと思います。

【主な論文】
・Changes in intracellular Ca2+ induced with adrenaline in swine lingual artery. ...................................... Int J Dent Med Specialty:2(2015)
・The effects of mepivacaine on swine lingual, pulmonary and coronary arteries........................................ BMC Anesthesiology:15(2015)
・Evaluation of a transcutaneous and end-tidal carbon dioxide levels during inhalation sedation in volunteers.
 ................................................................................................................................................................... J Clin Monitor Comp:10(2015)
・Evaluation of transcutaneous and End-Tidal Carbon Dioxide During Intravenous Sedation in Volunteers. ......... J Anesth Clin Res:5(2015)
・Effect of lidocaine on swine lingual and pulmonary arteries. ........................................................................................ J Anesth:10(2014)








■午後の部

  山田 浩之 先生
  岩手医科大学歯学部 口腔顎顔面再建学講座 口腔外科学分野 教授
  1991年
1991年
1993年
1994年
2005年
2009年
2015年
2016年
東北大学歯学部卒業
国立水戸病院歯科口腔外科勤務(研修医)
鶴見大学歯学部附属病院 診療科助手
鶴見大学歯学部 助手(口腔外科学第1講座)
鶴見大学歯学部 助手(口腔病理学講座)
鶴見大学歯学部 講師(口腔外科学第1講座)
岩手医科大学歯学部 准教授(口腔外科学分野)
岩手医科大学歯学部 教授(口腔外科学分野)


補綴前外科の臨床

・カスタムメイド・チタンメッシュトレー
・CAD / CAM
・骨移植
・3次元プリンター
・補綴前外科

 腫瘍切除や外傷などによって下顎骨の連続性が失われると、咀嚼機能をはじめとする顎口腔機能が相応に障害される。また、下顎の患側偏位や顔面の陥凹などによる整容的障害も必発する。このような下顎骨欠損に対する最近20年間の治療の主力は、やはり血管柄付きの自家骨(腸骨、腓骨、肩甲骨)移植である。しかしながら、これらブロック骨による再建では、下顎骨の3次元的形態を正確に再現したり、最終的な補綴治療を見据えた再建骨の形態を自由に設定することは困難である。一方、このようなブロック骨による下顎骨再建の困難性を解決するために、Dumbachらは、下顎骨の外形を模した既成のチタンメッシュトレーと自家腸骨海綿骨骨髄細片(PCBM)を用いた下顎骨再建を開発した。しかしながら、既成品であるDumbachのトレーは、下顎臼歯部から下顎枝に至る直線的な欠損にはきわめて有用であるが、オトガイ部を含む欠損の場合には、トレーと残存骨の適合に困難を伴うことが少なくなかった。そこでわれわれは、CAD / CAMの技術と歯科技工の技術を駆使することで、個々の患者の元来の下顎骨の外形を持ち、最終的な歯科補綴治療を念頭に置いた3次元的形態を付与したカスタムメイド・チタンメッシュトレーを作製し、下顎骨再建に用いている。本法の最大の利点は、再建下顎骨の形態を自由に設定することができることである。実際の臨床では、カスタムメイド・チタンメッシュトレーに術後の補綴治療を念頭に置いた形態を付与するとともに、患者自身の本来の下顎骨の外形をほぼ忠実に再現することができる。その結果、トップダウントリートメントの概念に則った術後の補綴治療は順調に進み、術後の顔貌に対する満足度も概ね良好であった。また、本法には特別な外科的手技が不要であり、移植骨採取部位の障害が小さいことも大きな利点となっている。本講演では、このカスタムメイド・チタンメッシュトレーとPCBMを用いた下顎骨再建の臨床的有用性を中心に様々な補綴前外科について紹介する。

【主な著書・論文】
・Clinical Usefulness of Mandibular Reconstruction Using Custom-Made Titanium Mesh Tray and Autogenous Particulate Cancellous
Bone and Marrow Harvested From Tibia and/or Ilia. .........................................................................................  J Craniofac Surg:27(2016)
・一般臨床医のための歯科小手術スキルアップ ................................................................................................... ヒョーロン・パブリッシャーズ(2014)
・Mandibular reconstruction using custom-made titanium mesh tray and particulate cancellous bone and marrow harvested from
 bilateral posterior ilia. ............................................................................................................................ J Plast Surg Hand Surg:48(2014)
・Treatment of salivary gland hypofunction by transplantation with dental pulp cells. ........................................... Arch Oral Biol:58(2013)
・Solitary fibrous tumor of the buccal space resected in combination with coronoidectomy.
 ............................................................................................................................... Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol:114(2012)








■ランチョンセミナー

  飯塚 康之 先生
  岩手医科大学歯学部 口腔保健育成学講座 歯科矯正学分野 助教
  1990年
1990年
1998年
1998年
2007年
2009年
岩手医科大学歯学部卒業[20期生]
岩手医科大学歯学部 副手(歯科矯正学講座)
岩手医科大学歯学部 歯学博士取得
岩手医科大学歯学部 助手(歯科矯正学講座)
岩手医科大学歯学部 助教(歯科矯正学講座)
岩手医科大学歯学部 助教(歯科矯正学分野)


歯科矯正治療症例を通して歯の移動の限界とパノラマX線写真の早期撮影の有用性について考える

・歯の移動の限界
・歯肉退縮
・歯根吸収
・パノラマX線写真の早期撮影
・パノラマX線写真で把握される不正咬合の原因

 矯正治療の経験を積む中で、患者様から教えられることのあった症例について自戒の念も込めて紹介したいと思います。まず、歯の移動の限界について考えさせられた症例です。この限界は、歯の移動が止まる、歯肉が退縮する、歯根が吸収するなどの現象を通して気づかされることがあります。小臼歯の捻転の改善により歯肉退縮を生じた症例、上顎中切歯の移動中に歯根吸収を起こした症例を提示し、歯肉退縮ならびに歯根吸収の原因・誘因と対応策について考察したいと思います。また、上顎犬歯の遠心移動が停止した症例とこれを経験して行った上顎洞底と歯根の位置関係に関する研究について報告いたします。

 次に、初診検査時のパノラマX線写真撮影で集合性歯牙腫と犬歯の埋伏が発見された例、上顎犬歯の萌出方向の異常により前歯部の歯根吸収が認められた例を提示いたします、この2症例を通して早期のパノラマX線写真撮影の必要性を感じました。パノラマX線写真撮影により以下に示すような不正咬合の原因が明らかになることがあると思います。この中には埋伏過剰歯の抜去、囊胞の摘出や開窓術、腫瘍の摘出など場合によっては早期に行ったほうが良いものがあります。また永久歯の萌出障害の原因であった囊胞や腫瘍の摘出後や含歯性囊胞に対する開窓術後の牽引誘導、歯胚の位置異常や萌出方向の異常に対する開窓牽引など問題の解決に時間のかかるものもあり、早期発見が望まれます。そこで、早期にパノラマX線写真撮影を行う時期について私の考えを述べたいと思います。

 今回の発表内容が先生方の日々の臨床に少しでもお役に立てれば幸いです。

<パノラマX線写真により把握される不正咬合の原因>
・埋伏過剰歯・歯の先天欠如・ディスクレパンシーの程度(萌出余地の不足)・歯の萌出時期の異常(乳歯の早期喪失、晩期残存と永久歯の早期萌出、萌出遅延)・歯胚の位置異常・歯胚の萌出方向の異常・囊胞の形成・歯牙腫の存在

【主な論文】
・機能的側方偏位による顎関節症状を伴った叢生症例 .................................................................................................... 日顎関節会誌:22(2013)
・Bond strength of an orthodontic bonding material and adhesion energy of artificial saliva to an experimental titanium bracket.
 ......................................................................................................................................................................... Orthod Waves:70(2011)
・成長期に舌癖除去装置を用いて開咬症状の改善を行った3症例について ......................................................................... 岩手医大歯誌 24(1999)
・飼科中のタンパク,脂肪の組成がマウスの歯質性状に及ぼす影響 ................................................................................... 岩手医大歯誌:22(1997)
・顎関節症の臨床所見とmagnetic resonance imaging所見との関連性について .............................................................. 岩手医大歯誌:21(1996)




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