岩手医科大学歯学部同窓会 学術研修会のご案内




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時 間: 9:50ー15:30
   (10:00ー12:00 午前の部、12:15ー13:00 ランチョンセミナー、13:15ー15:15 午後の部)
会 場:岩手県歯科医師会館5階8020プラザ
参加費:(昼食代含む)歯科医師6,000円 学内歯科医師3,000円 コデンタルスタッフ2,000円(歯科医師は除く)




■午前・午後の部

  浦野 智 先生
  大阪府開業、東京歯科大学 客員講師、東京医科歯科大学 非常勤講師
  1988年
1992年

1999年
大阪歯科大学卒業
医療法人貴和会歯科診療所勤務
小野善弘先生、中村公雄先生に師事
大阪市北区にて開業


臨床における歯周治療の位置づけ

   現在、我が国において成人の80%以上が歯周病に罹患しているといわれている。このことは、われわれの日常臨床において、いかなる歯科治療を行う場合においても歯周病に対する配慮が必須である、ということを示していると思われる。
   そもそも歯周病とは、軟組織に限局した問題として初発し、つづいて根尖側方向への付着の喪失、さらに支持骨の吸収とダイナミックに変化する疾病である。この様に侵襲を受ける部位が、その進行の程度により異なることから、患者が訴える症状も様々なものとなり、支持組織にまで破壊が進行した患者においては、歯周組織に対する直接的な変化のみでなく、歯の位置異常や咬合の崩壊などの2次的な変化をきたすことも多くある。この様な病態を呈する患者に対しては、歯周治療のみではなく総合的な視点からの治療が必要となる。さらに現在は、欠損部の修復処置としてインプラントを併用する頻度も増加してきたが、特に残存歯が歯周病に罹患している患者に対して用いる際には、そのコントロールが重要な課題となり、このことは多くの文献からも示されている。
   この様に歯周病に対する治療は必須であるが、実際に治療を行うとなるとどのように進めればよいのか、悩むことも多い。初期であれば、バイオフィルムの除去を中心とした原因除去療法が、その主たるものとなり、患者自身に歯肉縁上のプラーク・コントロールを徹底させ、その後にスケーリング、ルート・プレーニングを適切に行うことで、バイオフィルムを大部分除去することができると思われる。しかし、中等度以上に進行した歯周病の治療においては、原因除去のみでは対応しきれないことも多いと思われる。特に上記のように2次的な問題を伴う症例においては、術後の長期にわたる安定を得るうえで、原因除去後に残存した問題点にまで踏み込んだ処置が必要となることがある。また、この様な症例においては修復処置が必要となることも多くなり、より清掃性の高い歯周環境作りが要求される。このような原因除去や環境改善を目的とした積極的な治療は、術後の歯周環境を大きく改善することができるが、外科処置が避けられない。それゆえに、その術式の選択においては、ゴールを明確にした上での適切な術式の選択が必要となり、明確なコンセプトに基づいた治療計画の立案が重要となる。
   今回、重度歯周疾患に対して処置を行った症例を通して、ご参加の皆様と歯周治療の対する考え方を考えてみたいと思う。

【主な著書・論文(分担執筆)】
・歯周治療って面白い! 基礎編 / 部位別実践編 ................................................................................................... 医歯薬出版(2008)
・PAOOの考え方と臨床応用 ..................................................................................................... The Quintessence 27(8)(2008)
・今、ペリオを再考する ......................................................................................................... 歯界展望 106(4-111)(2005-2008)
・予知性を再考する ............................................................................................................. The Quintessence 27(4-6)(2007)
・外科処置による意図的な骨の改造を応用した急速矯正治療(AOO)の新展開 ................................................... 歯界展望 109(1)(2007)






■ランチョンセミナー

  泉澤 充 先生
  岩手医科大学歯学部 口腔顎顔面再建学講座 歯科放射線学分野 講師
  1992年
1992年
1997年
1999年
2005年
岩手医科大学歯学部卒業(22期生)
岩手医科大学歯学部口腔外科学第一講座 副手嘱託
岩手県立中央病院歯科・口腔外科 任用
岩手医科大学歯学部歯科放射線学講座 助手任用
岩手医科大学歯学部歯科放射線学講座 講師任用


顎骨の腫瘍性疾患、囊胞性疾患

・歯原性腫瘍
・歯原性囊胞
・非歯原性腫瘍
・非歯原性囊胞
・転移性腫瘍

   顎骨には様々な疾患が発生する。日常臨床で遭遇する疾患の多くが、歯原性であり、歯牙の構成組織より発生する歯原性腫瘍や囊胞は画像上、非常に類似した所見を呈するため、パノラマエックス線検査や歯科用CBCT撮影での鑑別診断に非常に苦慮することが多いのが事実である。
   頻度としては歯根囊胞を筆頭に含歯性囊胞、歯原性角化囊胞(2017年、WHO分類が改変され、角化囊胞性歯原性腫瘍、石灰化囊胞性歯原性腫瘍はそれぞれ、歯原性角化囊胞、石灰化歯原性囊胞に変更)やエナメル上皮腫などが多い傾向であるが、実際には非歯原性腫瘍、囊胞などを認めることがあり、さらに画像診断医泣かせとなる機会も多い。
   岩手医科大学歯科医療センターでは多くの地域から患者さまが紹介受診され、疾患もバラエティである。大学では、1年間にパノラマエックス線約7,000件あまり、歯科用CBCTでは2,200件を超す検査を行っており、その他の検査を合わせた件数は10,000件を超えている。その中には、他部位から顎骨に転移を来たした症例や良性腫瘍に類似した画像所見を呈しながら、病理組織検査の結果が骨肉腫であった例など、大学ならではの症例も多い。鑑別診断に苦慮したもの、非典型的な所見を呈する症例など日常臨床では様々な症例に遭遇する機会が多く、歯科放射線科医としては、非常に頭を悩ます日々であります。
   今回は、一般的な歯原性疾患の画像所見に加え、非典型的な症例も供覧したいと考えておりますが、会員のみなさまの日常診療において少しでもお役にたてるセミナーとなれば幸甚に存じます。

【主な著書・論文(分担執筆)】
・顎骨の囊胞と腫瘍 ................................................................................................................................ 画像診断37(7)(2017)
・まるわかり頭頸部領域の画像診断 7章 口腔-咀嚼・味覚 ........................................................................................... シエン社(2015)
・Combined intra-arterial infusion and systemic chemoradiotherapy for stage IV
  squamous cell carcinoma of the mandibular gingiva. ................................................................... Jpn. j. radiol. 30(9)(2012)
・「Q&A」で学ぶ歯科放射線学:SBOs講義 ............................................................................................................. 学建書院(2011)
・The relationship between histopathological findings in oral squamous cell carcinoma and FDG uptake on PET.
  ............................................................................................................................................. Oral Radiology 19(2)(2003)




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