岩手医科大学歯学部同窓会 学術研修会のご案内

第62回学術研修会のご案内




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時 間: 9:50ー16:40
   (10:00ー12:00 午前の部、12:15ー13:00 昼の部、13:15ー14:45 午後の部1、15:00ー16:30 午後の部2)
会 場:岩手県医科大学循環器センター8階研修室
参加費:(昼食代含む)歯科医師4,000円 学内歯科医師3,000円 コデンタルスタッフ2,000円(歯科医師は除く)
※学術研修会終了後に講師を囲んで「軽食付きパーティー」を同研修室ロビーにて行います。




■午前の部

  野坂 久美子(のざか くみこ) 先生
  岩手医科大学歯学部 小児歯科学講座 元助教授
     


スキルアップ小児歯科治療「齲蝕と上顎犬歯の位置異常を中心に」 

毎日の臨床で四苦八苦していることの1つに低年齢児の齲蝕罹患があげられる。萌出間もない生後7か月ごろからの罹患もみられる。それは、現代社会において低年齢児が好み、保護者が与えやすい食形態の関与にあると思われる。ところが、萌出間もない乳歯は、歯質は脆弱で薄く、歯髄腔が大きいため、処置方法によっては、すぐに歯髄感染を引き起こしやすい。さらに幼若永久歯も同様である。従って歯質や歯髄腔の経年的な変化を認識して処置や予防に臨まなければならない。歯列もまた、最近、上顎犬歯の位置異常が多く、犬歯の埋伏や犬歯による隣在歯の歯根吸収などが認められる。早期(乳幼児期)からの定期的な診査により、それらのトラブルを最小限に停めたい。これらを中心にお話をしたいと思います。




■昼の部

  田邉 憲昌(たなべ のりまさ) 先生
  岩手医科大学歯学部 補綴・インプラント学講座 補綴・インプラント学分野 講師
     


スキルアップ Cr・Brの装着「補綴マテリアルの特性を考えた調整と接着」

近年、CAD/CAM冠の保険収載などデジタルデンティストリーの急速な普及は歯科における治療法や材料選択に大きな変化をもたらしている。クラウンなどの歯冠補綴に用いる材料としても、金属を使用するものからジルコニアや2ケイ酸リチウム、ハイブリッドレジン、ファイバーポストなどを中心としたメタルフリーの材料へ急速にシフトしてきている。
    今回、これらの新しい材料を含めた補綴マテリアルの咬合面形態の調整方法や接着手技について、長期間機能させるためにはどうすればいいのか材料の特性を考えながら検討してみたい。




■午後の部1

  藤本 淳(ふじもと あつし) 先生
  盛岡市開業、岩手医科大学歯学部 臨床教授、南カリフォルニア大学客員研究員
     


スキルアップ 歯周病治療「予後良好に導くための歯周基本治療」

臨床の中でみなさんは補綴処置前に、歯周組織検査、スケーリング・ルートプレーニング、再評価を実施されていますか?簡単なようでなかなか取り組めていない先生も多いのではないでしょうか。歯周ポケットが見られた時、歯周基本治療では何を?SPTでは何をしたらいいの?どこまで行えば良いの?と迷うことも多いと思います。
本講演では歯周基本治療を復習することで、補綴前処置として歯周組織を安定させ長期的な予後を良好にするために、歯周病の病因論を簡単に復習し、バイオフィルムのコントロールを中心にステージごとにどのように考えていくかお話します。また診断と基本治療に必要な基本的な考え方と手技についても解説します。




■午後の部2

  佐藤 和朗(さとう かずろう) 先生
  岩手医科大学歯学部 口腔保健育成学講座 歯科矯正学分野 教授
     


スキルアップ 矯正歯科治療「矯正歯科治療 やって良いこと悪いこと」

近年の学校保健統計調査では、永久歯の一人当たりの平均齲蝕歯数は1歯未満までに改善されてきているとの報告がある一方で、各年齢で4?5%子供達が歯列・咬合についての問題を指摘されています。また歯科疾患実態調査では12~15歳で叢生のある者は、40%以上にも昇ることが指摘されております。成長発育期の患者さんは勿論、日常の歯科診療で、各年齢層の患者さんの咬合を観察した場合には、不正咬合に遭遇する機会は決して少ないものではないと思われます。
今回は、見逃してはいけない不正咬合やその対処法、逆に安易に治療を行ってはいけない不正咬合について解説したいと思います。


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第63回学術研修会のご案内


申込みはまだ受け付けていません

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時 間: 9:50ー15:30
   (10:00ー12:00 午前の部、12:15ー13:00 ランチョンセミナー、13:15ー13:15 午後の部)
会 場:岩手県歯科医師会館8020プラザ5階
参加費:(昼食代含む)歯科医師8,000円 学内歯科医師4,000円 コデンタルスタッフ2,000円(歯科医師は除く)




■午前・午後の部

  水上 哲也(みずかみ てつや) 先生
  九州大学歯学部 臨床教授
福岡県福津市 開業
     


歯周組織再生療法の今
 --「この歯は何故悪くなったのか、そしてどのように治してゆくべきか」


   歯周治療の目標は天然歯列を生涯にわたり維持することである。
そのため私たちは日常臨床において歯周病に罹患した歯の歯周病学的パラメーターの改善を行い、適切な咬合機能が得られた状態で長期にわたりメインテナンスしてゆくことが求められる。
   治療において大切なことは全体像の把握と局所の把握を合わせて行うことである。具体的には患者単位の診断、一口腔単位での診断、そして患歯における診断がこれに相当する。一口腔単位でのリスク因子には歯列不正、プラークコントロール、バイオフィルムの質、パラファンクションなどの過度の咬合性因子などがあげられる。感染により歯周病が進行した状況下ではパラファンクションなどの過度の咬合和性の因子は病変をエスカレートさせる可能性がある。近年、進行した歯周病罹患歯に対する外科的治療として歯周組織再生療法が選択される機会が増えてきたが外科処置を選択する前程として適切な病態の診断や個々の患者におけるリスク因子の評価に加えて的確な歯周基本治療が重要であることは言うまでもない。これらの初期の基本的な治療過程を経て歯周外科処置は選択実行される。
   次に、歯周組織再生療法を成功に導くためにさまざまな要素があるが、なかでも適切な要素としてフラップデザインの選択について説明したい。
   1980年代な半ばに温存型のフラップデザインの原形とも言える口蓋からの切開デザインがEvianによって提唱され、このデザインは歯間乳頭を温存するためのフラップデザインとして Papilla Preservation Technique がTakei,Hanにより発展して永く歯周組織再生療法に適したフラップデザインとして用いられている。しかしながら近年、より侵襲度の低いミニマル型のフラップがHarrelやCortellini,Tonettiらにより提唱され多くの臨床医に用いられるようになってきた。これらこれらの従来型、即ちコンベンショナルなフラップデザインとミニマルなフラップデザインの違いは単にフラップの大きさの違いというよりもコンセプトの違いが大きいと感じている。
   今回の講演では先ずは全体的像としての歯周病のリスク因子の整理と悪化する要因についての考察、そして咬合性因子の改善と治療目標としての適切な咬合機能の回復と維持について述べさせていただきたい。また、講演の後半部分では現在歯周組織再生療法に頻用される数々のフラップのデザインを整理しどのような症例にどのように用いるべきかについて解説したい。そして最後に自身の中長期にわたる臨床例を呈示し、経過に対する考察を行いたい。


【主な著書・共著】
・歯科臨床の羅針盤2思い込みの歯科医療からの脱却(共著) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・インターアクション株式会社(2018)
・基礎から臨床がわかる再生歯科 成功率と効果を高めるためのテクニックとバイオロジー(共著)・・・・クインテッセンス出版(2013)
・もう迷わない根分岐部病変 -根分岐部病変の治療はどう進化したのか?(共著)・・・・・・・・・・・・・・ヒョーロンパブリッシャーズ(2013)
・歯界展望別冊「成功する歯周組織再生治療」(共著)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・医歯薬出版(2012)
・インプラント歯科における骨再生誘導法の20年(翻訳) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クインテッセンス出版(2012)
・POI-EX SYSTEMの臨床(共著)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クインテッセンス出版(2012)





■ランチョンセミナー

  稲葉 大輔(いなば だいすけ) 先生
  岩手医科大学歯学部 口腔医学講座予防歯科学分野・准教授
     


疾病予防から健康創成へ ─光誘導蛍光法QLFの基礎と臨床─

   近年、医療は疾病の治療から予防へとパラダイム・シフトが進んだが、予防も病気を軸にした概念で、必ずしも健康の増進を保証しない。そこで、予防に加え、健康創成(サルトジェネシスsalutogenesis)という、健康主軸の概念が提唱されている。 健康の原義は「治癒」であり、生命体が変化に対し自発的に回復する体内システムである。ただし、治癒が有効に働くのは、病的変化の初期に限られ、リスク・侵襲が過大であれば治癒は限界となり発症に至る。治癒起動の目安は初期の兆候(sign)で、健康=治癒の支援・増進には兆候検出と治癒力の支援が必須である。ただし、多くの疾病で兆候がほぼ不可視なことが問題となっていた。
   これを解決する手法として、我々はQLF(Quantitative Light-induced Fluorescence;光誘導蛍光法)の原理を応用したデジタル蛍光カメラQLF-Dを2008年に開発した。この装置は、波長 405nmの青紫色可視光の照射により歯から励起される緑色蛍光とバイオフィルム由来の赤色蛍光を分離・検出するもので、歯質とバイオフィルムに関する様々な兆候や症状の可視化・定量が可能である。本報告では、QLFの基礎とその臨床を解説するとともに、口腔領域が疾病の予防から健康創成へと向かう新たなシフトのなかで、QLF等のイメージング技術が果たす意義・役割を考察する。




【主な著書・論文・共著】
・スタンダード衛生・公衆衛生第16版(共著、担当部分:第8章 地域保健と保健行政)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・学建書院(2019)
・Min, J. H., Inaba, D., Kim, B. I.: Evaluation of resin infiltration using quantitative light
 -induced fluorescence technology.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Photodiagnosis Photodyn Ther., 15:6-10(2016)
・Min, J. H., Inaba, D., Kwon, H. K., Chung, J. H., Kim, B. I.: Evaluation of penetration effect
 of resin infiltrant using opticalcoherence tomography.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・J Dent, 43(6):720-725(2015)
・Nam, S. H., Jung, H. I., Kang, S. M., Inaba, D., Kwon, H. K., Kim, B. I.: Validity of screening methods
 for periodontitis using salivary hemoglobin level and self-report questionnaires in people with disabilities.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・J Periodontol, 86:536-545(2015)
・唾液 原著第4版 歯と口腔の健康
(翻訳・共著、担当部分:第8章 ミネラル平衡における唾液の役割:う蝕,酸蝕症,歯石形成)・・・・・・・・・・・・・・・・・医歯薬出版(2014)


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