岩手医科大学歯学部同窓会 第60回学術研修会のご案内




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時 間: 9:50ー15:30
   (10:00ー12:00 午前の部、12:15ー13:00 昼の部、13:15ー15:15 午後の部)
会 場:岩手県歯科医師会館8020プラザ5階
参加費:(昼食代含む)歯科医師8,000円 学内歯科医師4,000円 コデンタルスタッフ2,000円(歯科医師は除く)




■午前の部・午後の部

  松丸 悠一(まつまる ゆういち) 先生
  フリーランス総義歯治療専門歯科医師
  2005年
2010年
2012年
日本大学松戸歯学部卒業
日本大学大学院 松戸歯学研究科(総義歯学専攻)修了
札幌市および都内各所にてフリーランス総義歯治療専門歯科医師として従事
現在に至る


総義歯治療のマネジメント - 失敗しないためのkey point -

・無歯顎補綴治療 ・Denture Quality ・患者満足度  ・ダイナミック印象 ・治療用義歯

   インプラントを応用した補綴治療が治療オプションとして確立された現在、費用対効果の視点を含む適切な医療提供の観点から「どのような総義歯が患者に受け入れられるか」の問いは世界的により重要性を増しています。また一方で、総義歯治療における患者のQoL、患者満足度を評価する尺度が整理され、高い患者満足度を得るためには「適切な下顎位」「下顎義歯の維持・安定」が重要であることが明らかになってきました。
   しかしながら、以上の点について細心の注意を払って製作した義歯であっても、装着後に痛みや違和感により大きな調整が必要となったり、あるいは患者に受け入れてもらえないという問題に直面することがあるのではないでしょうか。 演者は総義歯治療が適応となった無歯顎患者を対象として臨床を行っており、目標となる高い機能回復と、それ以上に「どのようなアプローチが患者に受け入れられるか」について日々思索しております。その中でも演者は「義歯が外れない、痛みを生じない、違和感が少ないといった単純な事実」と「時間軸を利用した顎位の確認、術者・患者間における適切なコミュニケーション」が重要だと考えています。そして、このポイントを確実に得るために治療用義歯や複製義歯を使用しながらクォリティの確認と患者受容の程度を時間をかけて確認しております。
義歯を実際に使用してもらいながら受け入れられる形態を求めていくこの術式を用いて完成した義歯の"かたち"は客観的な義歯の質を伴い、かつ患者が受け入れた「答えに近い"かたち"」であるのかもしれません。
今回は総義歯治療の基本的原則に触れながら、その臨床例を通じて
「患者・術者が共に満足するために何が大切なのか」
「失敗しないためにはどのようにアプローチすべきなのか」
「演者のダイナミック印象の手技とティッシュコンディショナーへの考え方」
「頻出の問題解決のためにはどのようなイメージが必要か」
について時間の許す限りお話させていただきます。
   総義歯治療は客観性を欠く情報に振り回されやすく、ドグマ(独断的な説・主張・意見)が生じやすいともいわれております。本講演が術式に左右されない、総義歯治療における診る力を養なう一助になりますよう努力いたします。



【主な著書・論文】
・誌上テーブルクリニック 治療用義歯を応用した新義歯製作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・デンタルダイヤモンド社(2018)
・顔貌からみた総義歯治療 印象採得・咬合採得の評価のコツ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・デンタルダイヤモンド社(2017)
・総義歯治療に必要なもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クインテッセンス出版(2016)
・THE SOFT LINING 軟質リラインの本質(共著)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・デンタルダイヤモンド社(2016)
・ひとつではない、噛める総義歯の姿(共著)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クインテッセンス出版(2013)




■ランチョンセミナー

  宮本 郁也(みやもと いくや) 先生
  岩手医科大学歯学部 口腔顎顔面再建学講座 口腔外科学分野 准教授
  1997年
1997年
1998年
2005年
2008年
2013年
2007年  
東北大学歯学部卒業
京都大学医学部口腔外科学分野入局(研修医)
スウェーデン・イエテボリ大学外科学研究所(客員研究員)
京都大学大学院医学研究科博士課程修了(博士(医学))
九州歯科大学形態機能再建学分野(助教)
九州歯科大学口腔内科学分野(講師)
岩手医科大学口腔外科学分野(准教授)


超高齢社会における口腔外科疾患

・口腔外科 ・抜歯 ・骨髄炎 ・腫瘍 ・口腔内科

   我が国は、どの国もこれまで経験したことのない超高齢社会を迎え、医学的な問題をかかえた高齢患者が増加している。日常診療においても全身的背景を考慮した様々な口腔疾患の診断と治療が求められる機会が増えてきた。この講演では、口腔外科や口腔内科的に見た超高齢社会の患者における注意点について述べてみたい。
口腔内は、歯、口腔粘膜や骨など様々な組織が存在する。それぞれの組織は"生きて"いるため組織が代謝し、細胞が入れ替わる。若年者と高齢者とでは、口腔内組織が大きく変化している。例えば高齢者における智歯抜歯は、手術手技は若年者と同じでも、術後の経過が全く異なる。術後疼痛が続き、上皮化が遅延するのは手術手技のためだけではない。骨や骨髄組織の治癒が、どのような点で異なるのかを画像診断学的、病理組織学的に解説する。
一方、歯肉や口腔粘膜などの上皮組織は、様々な原因で癌化する可能性がある。診察に必要な知識を整理するため、前癌状態や前癌病変などの口腔潜在性悪性疾患を簡単に解説する。また、全身的に一生のうちなんらかのがんに罹る確率は約50%と推計されている。手術、薬物療法、放射線治療などが施行される。このようながん治療が、口腔に対しどのような影響を与えるのか認識する必要がある。薬剤関連性顎骨壊死などは、典型的な例である。さらに高齢者は複数の慢性疾患を有し多剤併用となることが多く、薬物の有害事象なども生じやすい。口腔乾燥などが代表的なものである。
このように加齢や疾病に伴って全身的、局所的に身体は変化し、治療に伴った変化も生じうる。われわれには、患者の全身的、局所的な状態を把握し、最適な治療を行うことが必要とされる。このような患者では、外科的な処置が難しい場合もあり、口腔内科的なアプローチも有効である。超高齢社会で求められる"安心、安全な治療"は、このような観点からも検討する必要があると思われる。



主な著書・論文(分担執筆)
・Endocytoscopy for in situ real-time histology of oral mucosal lesions.
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・INT J ORAL MAXILLOFAC SURG.(47)(2018)
・Dense cancellous bone as evidenced by a high HU value is predictive of late implant failure: a preliminary study.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ORAL RADIOLOGY (2017)
・Potential risk of asymptomatic osteomyelitis around mandibular third molar tooth for aged people: a computed tomography and histopathologic study.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・PLoS one 8, e7389 (2013)
・Alveolar ridge reconstruction with titanium mesh and autogenous particulate bone graft: Computed tomography‐based evaluations of augmented bone quality and quantity. ・・CLIN IMPLANT DENT R.(14)(2012)
・Influence of cortical bone thickness and implant length on implant stability at the time of surgery--clinical, prospective, biomechanical, and imaging study.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・BONE(37)(2005)




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